ばんぺいゆ(晩白柚)をいただいたのですが、見た目が大きくてびっくりしました。
食べてみると、爽やかな甘さで、とても美味しかったです。
スーパーでは、似たような色の柑橘で「文旦」が売っていましたが、ばんぺいゆと文旦の違いはどんなところなのか気になりました。
気になって調べていると、ザボンやボンタンという名前も出てきて、それぞれどう違うのかわからなくなりました。
そこでわかりやすくまとめてみましたので、紹介します。
Contents
ばんぺいゆ(晩白柚)と文旦の違いは?
まず、ばんぺいゆ(晩白柚)と文旦の違いについてです。
下の表は文旦の主な種類の一覧で、その中にばんぺいゆが含まれています。
ばんぺいゆは文旦の種類の中の一つという位置づけなのですね。
土佐文旦 | 文旦の中で最も生産量が多い品種 |
水晶文旦 | 秋に出回る珍しい文旦。外皮がうすい黄緑色 |
晩白柚(ばんぺいゆ) | 世界最大級の柑橘 |
安政柑(あんせいかん) | 晩白柚の次に大きな柑橘 |
同じ種類とは言っても、スーパーで「文旦」として売っていたものと、ばんぺいゆは大きさがだいぶ違います。
大きさの他にも違うところがあるのか、「ばんぺいゆ(晩白柚)」と一般的な「文旦」の違いについて、いろいろな切り口から比較してみました。
比較したのは、ばんぺいゆと、スーパーで「文旦」として売っていた「土佐文旦」です。
この2つを比較して、次の順に紹介します。
【見た目や大きさ】ばんぺいゆと文旦の違い

ばんぺいゆと文旦の色や外側の皮の感じについては、とても似ています。
見た目で実物を比較してみたところ、ばんぺいゆと文旦のはっきりした違いは大きさです。
の順に説明します。
皮つきでの大きさ
大きさを測ってみると、
左の文旦が直径約11cm、右のばんぺいゆが直径約17cmで、ばんぺいゆの方が文旦の1.5倍ほどあります。
比較のために後ろにCDを置いてみました。
↓
文旦はCDと同じくらいの大きさです。
ばんぺいゆは、CDよりかなり大きく、柑橘類の中では世界最大級と言われています。
Mサイズだと直径15cm、Lサイズだと直径20cm前後で、大きいものだと25cmにもなるようです。
ばんぺいゆと文旦の一般的な大きさは、次のようになります。
直径 | 重さ | |
---|---|---|
ばんぺいゆ | 15~25cm | 1.5~2.5kg |
文旦 | 10cm~12.5cm | 400g~700g |
食べる部分の大きさ
食べる部分の大きさも、だいぶ違います。
ばんぺいゆは、ボリューム満点で、手のひらに乗せると、こんな感じです。
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定規で測ると文旦が6.5cm、ばんぺいゆが9cmほどでした。
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【外皮の厚さ】ばんぺいゆと文旦の違い
ばんぺいゆと文旦の外皮の厚さは、かなり違います。
ばんぺいゆは3cmほどあり、それに対して文旦は1cm前後です。
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それぞれの断面の様子の写真です。
ばんぺいゆ
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文旦
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【皮の剥き方】ばんぺいゆと文旦の違い
皮の剥き方の大変さは、大きくて皮が厚いばんぺいゆの方が大変です。
時間もかかりますので、ゆっくり時間がある時にやった方がいいと感じました。
私は慣れていないせいもあって、ばんぺいゆを剥くのに30分はかかったと思います。
また、皮の厚さがかなり違うので、ばんぺいゆと文旦の皮の剥き方も一部に違いがあります。
の2通りありますので、手軽にできる順に紹介します。
ばんぺいゆと文旦で共通の剥き方
ばんぺいゆと文旦両方で使える剥き方です。
ばんぺいゆで剥いてみた写真とともに反省点もまじえながら、手順を説明します。
上と下の部分を切り落とします。
私は、写真のように上の部分しか切り落とさなかったところ、下の部分の身を皮から剥がすのにだいぶ苦労しました。
下の部分も上の部分と同じように切り落としておけば、かなり楽に剥けるはずですので、 上下とも切り落とすのがおすすめです。
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下のように、8箇所に上から下まで切り込みを入れます。
ばんぺいゆの場合は、かなり深く包丁を入れても大丈夫です。
文旦の場合は、深く切りすぎると身も切れてしまうので、気をつけます。
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切り込みを入れたら、皮と身を剥がしていきます。
結構な力が必要で、私は少し手こずりました。
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全部剥がすとこんな感じになります。
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さらに皮を剥がしていきます。
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切れ目が入っていない下の部分がなかなか外れなくて苦労しました。
あらかじめ下の部分を切っておくか、途中でも切っておくと楽ということに後から気が付きました。
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身の周りに白いワタが残っているので、とっていきます。
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外の皮むきは完成です。
↓
薄皮を剥くには、包丁で切れ込みを入れると便利です。
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包丁でもできますが、私は「ムッキーちゃん」を使ってます。
とても便利ですよ。
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房の上の部分に刃を当てて、軽くスライドさせると切れ目が入り、簡単に薄皮が取れます。
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安いし便利なのでおすすめです。
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文旦だけにできる剥き方
真ん中に切れ込みをぐるっと入れて、皮をぱかっとキレイに剥く方法です。
真ん中にぐるっと1周切れ込みを入れます。
中の身を切らないよう、気をつけて包丁をいれます。
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切れ込みに大きめのスプーンを差し込み、左右に動かして皮と身を剥がしていきます。
反対側もぐるっと1周剥がします。
結構奥までスプーンを差し込むとキレイに剥けます。
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両手で文旦を押さえ、それぞれの手で逆方向に動かして皮を外します。
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キレイに身を取ることができました。
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こんな風に盛り付けるとオシャレです。
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【香り】ばんぺいゆと文旦の違い
香り自体は、ばんぺいゆも文旦も似ており、さわやかなとても良い香りがします。
香りの強さについては、 皮を剥く前、剥いている時ともに、ばんぺいゆの方が強く感じられました。
ばんぺいゆは保存できる期間が長いため、収穫後1カ月ほどは室内に飾って香りを楽しむこともできます。
産地の熊本県では、縁起が良いものとして、三宝などに乗せて床の間や玄関に飾られるようです。
↓
晩白柚(ばんぺいゆ)
熊本名産の大きなミカンのようなもので比較のために500円玉を置いています。大きさ伝わりますか?!
現在は飾っていますが、食べても美味しいのです!
味は夏みかんのようなサッパリとしてみずみずしいです♪
熊本のスーパーでも見かけるのでチャレンジしてみてはいかが?#晩白柚 pic.twitter.com/eos5LXCtqj— 「染物と宿の中島屋」熊本城の見える旅人宿 (@NAKASHIMA_YA) January 17, 2020
【味】ばんぺいゆと文旦の違い
ばんぺいゆ・文旦とも味は似ています。
グレープフルーツのようなさわやかな味ですが、酸っぱさや苦味があまりなく、甘くてとても食べやすい味です。
また後味もさっぱりしていて、つい後を引く美味しさです。
房の中に固めの果肉がぎっしり詰まっているため、食感もサクサクと楽しめます。
↓
個体差や時期でも味が違ってくるとは思いますが、私が3月に食べて感じた味の違いは次のとおりでした。
【甘さ】ばんぺいゆ>文旦
【ジューシーさ】ばんぺいゆ>文旦
【パリパリした歯ごたえ】ばんぺいゆ<文旦
個人的には、ばんぺいゆの方が甘くてジューシーと感じ、好みでした。
【主な産地】ばんぺいゆと文旦の違い
ばんぺいゆと文旦の主な産地は次のとおりです。
ばんぺいゆ:熊本県
文旦:高知県
ばんぺいゆは、熊本県で日本国内の収穫量の9割以上が生産され、特産品となっています。
土佐文旦については、約90%が高知県で栽培されています。
【旬の時期】ばんぺいゆと文旦の違い
食べごろの旬の時期は次のとおりです。
ばんぺいゆ:1月~3月ごろ
文旦:3月~4月ごろ
ばんぺいゆ・文旦ともに、12月ころから収穫が始まります。
収穫後、追熟(ねかせて熟成させる)の必要がありますが、その期間が次のように違います。
ばんぺいゆ:2週間
文旦:1ヶ月~2ヶ月程度
【値段】ばんぺいゆと文旦の違い
私が家の近くのスーパーや、通販のサイトで見てみた1個当りの値段は、ざっくりですが下のような感じでした。
ばんぺいゆ:1,000円程度
文旦:300円程度
贈答用の良い品では、もっと値段の高いものもありますし、逆に産地のスーパーの特売などではもっと安いこともあります。
値段はものによってかなり違ってきます。
次は、ばんぺいゆ(晩白柚)・文旦・ザボン・ぼんたんの関係について紹介します。
ばんぺいゆ(晩白柚)・文旦・ザボン・ぼんたんの違いは?
と名前を並べると混乱しそうですが、実際には違いはシンプルで
ザボンとぼんたんは、文旦の別名です。
そして、 文旦(ザボン・ぼんたん)の種類の中の1つがばんぺいゆとなります。
また、「文旦」は流通量の多い土佐文旦のことを指す場合もあります。
文旦の名前について情報を整理すると次のようになりました。
名前 | 名前の特徴 |
---|---|
ザボン | 標準和名(正式な名称) 中国人の謝文旦から伝わったことが由来 |
文旦 | ザムボア(ブンタンをさすポルトガル語)が訛ったもの |
ぼんたん | 文旦の別名 |
名前の由来については、別な説もあります。
謝文旦(しゃぼんたん)が伝えた2つの珍しい果物に「謝文(しゃぼん)」「文旦(ぼんたん)」という名前がつけられ、それぞれ
シャボン→ザボン
ボンタン→ブンタン
と変化したという説です。
どちらの説が正しいんだろう?と想像するのも楽しいですね。
文旦・ザボン・ぼんたんは同じです。その種類の中の1つがばんぺいゆです。
お読みいただきありがとうございました。
めちゃくちゃ参考になりました。
詳しく説明してくれてありがとうございます。
記事をお読みいただき、コメントもありがとうございます。
お役に立てて嬉しいです!
文旦が大好きで生食だけでなくマーマレードを作り、パウンドケーキに混ぜて焼いています。当地(名古屋)のスーパーでは扱いが少なく高知県から取り寄せています。
晩白柚が手に入ることは珍しく、ザボンとの違いなど詳しく調べていただきありがとうございます。
記事をお読みいただき、励みになるコメントもありがとうございます!
生食だけでなく、マーマレードやケーキにしても美味しいのですね。
やってみたいです。
情報をありがとうございました。