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コオロギ・鈴虫・松虫の見分け方は?見た目や鳴き声の違いは?

コオロギ・鈴虫・松虫の違い
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コオロギ・鈴虫・松虫といえば、子どものころに歌で習いましたが、秋に鳴く虫としてよく耳にします。
でも、よく考えてみるとそれぞれどんな虫なのか、その見た目の見分け方や、鳴き声の違いがよくわかりません。
疑問に思いましたので、それぞれの見分け方や見た目の違い・鳴き声の違いについてまとめました。



コオロギ・鈴虫・松虫の見た目の見分け方は?

まず、見た目の見分け方について
・コオロギ
・鈴虫
・松虫
それぞれ説明します。

コオロギ

コオロギ科の虫全般のことを指して「コオロギ」というため、コオロギにはいろんな種類があります。

下は、代表的なエンマコオロギの写真です。
色は黒から茶色で、頭が丸いのが特徴です。

コオロギ・鈴虫・松虫違い

体の長さ エンマコオロギの成虫は3cm程度(種類によって1cm~4cm)
体の色 黒から茶色のものが多い
体の形 頭が丸く、筒のような体
特徴 ・太く長い後ろ足でジャンプする
・飛ぶことはできない
・鳴かない種類もある

鈴虫

鈴虫も、バッタ目コオロギ科の昆虫です。
見た目は黒く、ウリのような形です。

コオロギ・鈴虫・松虫違い

体の長さ 17~25mm
体の色 黒色
体の形 小さな頭部と幅広い羽を持ち、瓜のような形
長くて白い触覚
メスはしっぽのような卵管がある
特徴 夜行性
はねの長さにより長翅型と短翅型がある。飛ぶのは長翅型のみ。販売されている鈴虫は、長翅型でもとぶことは稀。

マツムシ

マツムシも、バッタ目コオロギ科の昆虫です。
色は淡い褐色で、足が長いのが特徴です。

コオロギ・鈴虫・松虫違い

体の長さ 19~33mm
体の色 淡い褐色
体の形 体の形は鈴虫に似ているが、足が長いのが特徴
特徴 足の先に吸盤がついているため、プラスチックやガラスを垂直に登ることができる

鳴き声の違いはどうでしょうか。
次は、コオロギ・鈴虫・松虫の鳴き声の違いは?についてです。



コオロギ・鈴虫・松虫の鳴き声の違いは?

・コオロギの鳴き声
・鈴虫の鳴き声
・松虫の鳴き声
・鳴き分けについて
の順に説明します。

コオロギ

オスは、はねをこすり合わせて
コロコロコロ…
と鳴きます。

エンマコオロギの鳴き声は、こちらで聞くことができます。

コオロギのオスの羽にはツメとヤスリがついていて、オスは羽を動かしツメでヤスリ部分をこすって鳴きます。

オスは鳴くことで、メスへアピールします。

鈴虫

鈴虫は「リーン、リーン」と鳴きます。

鈴虫の鳴き声は、こちらで聞くことができます。

鈴虫も、オスのはねは一部がヤスリのようになっています。
オスははねを左右に細かく振動させることで、こすりあわせて音を出します。
1回「リーン」と鳴くために、はねを40回以上も左右に動かします。
オスだけが鳴き、メスは鳴きません。



松虫

文部省唱歌の『蟲のこゑ』では、松虫は「チンチロリン、チンチロリン」と鳴くとされています。
しかし実際には
「ティッティリリッ!!」
「ピッピリリッ!!」
という鋭く、しかも大音量のものです。
家の中で飼育していると、しばしば安眠できないほどと言われます。

実際の鳴き声は、こちらで聞くことができます。

鳴き分けについて

虫の種類により、状況に応じて
・違った鳴き方をする種類
・違った鳴き方をしない種類
があります。

紹介している種類については次のとおりです。

エンマコオロギ→鳴き分けする
スズムシ→鳴き分けする
松虫→鳴き分けしない

鳴き分けは3通りに区別できます。

呼び鳴き(本鳴き、独り鳴き)
高らかに歌うような鳴き方。
その種の特徴を表した鳴き方。

口説き鳴き
弱々しく強弱が不安定な鳴き方。
メスを誘う時の鳴き方。

脅し鳴き
ごく短い、精一杯に張り上げた強い鳴き方。
けんかで威嚇する時などに鳴く。

次は、コオロギ・鈴虫・松虫の分布・生息環境についてです。



コオロギ・鈴虫・松虫の分布・生息環境について

日本地図

エンマコオロギ

分布:北海道・本州・四国・九州
草地、人家の周辺に住む。

鈴虫

分布:北海道・本州・四国・九州
やや湿ったよく茂った草原に住む。森林の周辺部や、ススキなどの多い暗い茂みの地表に生息する。

松虫

分布:日本の本州(東北南部より南の地域)、四国、九州
やや乾燥した丈の長い草原に住む。主にススキが占有する河川敷、海岸線、高速道路沿い、線路沿いなどで生活する。

次は、虫の音を楽しむ文化についてです。



虫の音を楽しむ文化について

虫かご

日本では古くから、鈴虫は鳴き声を楽しむ対象とされていました。
平安時代の貴族階級では、鈴虫を籠に入れ楽しまれていました。
江戸時代中期になると、虫売りの手で人工飼育が始まり、盛んに販売されるようになりました。

虫の声を楽しむ文化があるのは、日本や中国など一部の国だけだそうです。
虫の声は、他の国の人にとっては、雑音と感じてしまったり、鳴いていることすら気づきません。

どうして日本人が虫の音を楽しむことができるのでしょうか。

医学者の角田忠信の研究で次のように発表しました。

人間は一般には左脳が言語、右脳が言語以外の雑音の処理を行っている。
9歳までの時期を日本語で育つと、母音の音の物理的構造に似た人の感情音や自然界のさまざまな音を左脳で処理するようになる。
日本人は例外的に虫の声をはじめ自然界の音を言葉と同様に左脳で聞くことができるようになる。

ただし、虫を聴く文化は中国などでもみられるし、ヨーロッパなどにも、虫の鳴き声を歌になぞらえた詩や歌があります。
角田忠信の研究だけで説明するのは無理で、自然環境や四季の変化がその要因になっているともいわれています。

珍しい、日本ならではの文化を大切にしていきたいですね。

コオロギ・鈴虫・松虫の見分け方は以下のとおりです。

コオロギ
・体の長さはエンマコオロギは3cm程度(種類によって1cm~4cm)
・体の色は黒から茶色
・体の形は頭が丸く、筒のような体

鈴虫
・体の長さは17~25mm
・体の色は黒色
・体の形は小さな頭部と幅広い羽を持ち、瓜のような形、長くて白い触覚

松虫
・体の長さは19~33mm
・体の色は淡い褐色
・体の形は鈴虫に似ているが、足が長いのが特徴

コオロギ・鈴虫・松虫の鳴き声の違いは、次のようになっています。

コオロギ→「コロコロコロ…」
鈴虫→「リーンリーン」
松虫→「ティッティリリッ!!」「ピッピリリッ!!」

お読みいただきありがとうございました。

参考文献
松浦一郎「虫はなぜ鳴く ― 虫の音の科学」文一総合出版
村井貴史・伊藤ふくお「バッタ・コオロギ・キリギリス生体図鑑」北海道大学出版会



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