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秋の虫が鳴く時期はいつからいつまで?気温は関係があるの?

コオロギ・鈴虫・松虫の違い
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9月に入ったばかりのまだ暑い時期の夜に外を歩いていると、秋の虫の声が聞こえてきました。
秋の虫はもっと涼しくなってから鳴くイメージがありました。
秋の虫が鳴く時期はいつからいつまでなのか疑問に思い、調べました。
虫が鳴くのに気温が関係があるのかどうかについても解説します。

秋の虫が鳴く時期はいつからいつまで?

秋に鳴く虫の種類の多くは、夏から秋にかけて(8月~10月)鳴きます。

・秋の虫が鳴く時期はいつから?
・秋の虫が鳴く時期はいつまで?
それぞれ説明します。

秋の虫が鳴く時期はいつから?

秋の虫が鳴くのはいつからいつまで

虫が鳴くのは、幼虫から成虫になってからです。

虫が鳴くまでは次のようになっています。

卵から幼虫が出てくる(孵化)

蛹(さなぎ)になる

幼虫がさなぎから脱皮して、成虫になる(羽化)

羽化したてにはまだ鳴かない。
1~2週間後、性成熟に伴い鳴くようになる。

コオロギの代表種である、エンマコオロギの初鳴きした日のデータがあります。
これによると地域によって、初めて鳴く日に1ヶ月程度の差が出ています。

2018年生物季節観測

秋田県秋田市 8月18日
山形県山形市 7月30日
石川県金沢市 8月26日
長野県長野市 7月31日
栃木県宇都宮市 8月6日
岐阜県岐阜市 9月16日
岡山県岡山市 8月27日
香川県高松市 8月20日

詳細はこちらからご覧ください。
気象庁 生物季節観測の情報

下の動画はエンマコオロギの鳴き声です。


種類によっては例外もあります。
例えば、クビキリギスは秋に成虫になり、そのまま冬を越したあと春に鳴き出します。
鳴き始めの日の地域別のデータがないので詳しくは書けませんが、だいたい4月か5月から鳴き始めます。



秋の虫が鳴く時期はいつまで?

秋の虫が鳴くのはいつからいつまで

秋の虫は、多くの場合寿命まで鳴き続けます。
秋の虫の多くは、成虫になってから2ヶ月前後で寿命となります。

先程エンマコオロギの初鳴きについて紹介しましたが、初鳴きの日からだいたい2ヶ月後が寿命と考えると、鳴き終わりの日はだいたい次のような感じになります。

秋田県秋田市 10月18日ころ
山形県山形市 9月30日ころ
石川県金沢市 10月26日ころ
長野県長野市 9月31日ころ
栃木県宇都宮市 10月6日ころ
岐阜県岐阜市 11月16日ころ
岡山県岡山市 10月27日ころ
香川県高松市 10月20日ころ

例外的に春に鳴くクビキリギスの場合は、だいたい4月か5月から鳴き始めるため、6月か7月頃まで鳴きます。

次は、秋の虫が鳴くのに気温は関係があるの?についてです。



秋の虫が鳴くのに気温は関係があるの?

秋の虫と気温

秋の虫が鳴くのに気温は関係があります。

気温で1番影響を受けるのは、鳴き声のテンポです。
テンポは気温が低くなるにしたがいゆっくりしてきて、トレモロ(小刻みな演奏)が粗くなります。
この現象はどの種類にもみられ、気温のわずかな違いでも微妙に変化します。

・気温によって鳴き方が変わる理由
・どのくらいの気温まで鳴くのか
・昼間に鳴くのか?夜に鳴くのか?

次から順に説明します。

気温によって鳴き方が変わる理由

秋の虫と温度

なぜ、気温によって鳴き声が変わるのでしょうか。

虫は変温動物なので、気温によって体温が変化します。
体温が変化すると、活動が活発になったり鈍ったりします。
体温の変化により、はねを震わす速さが違ってくるため、トレモロやテンポが変化します。

はねを震わす鳴き方について、詳しくはこちらに進んでご覧ください。
秋の虫はどのような方法で鳴くのか?

どのくらいの気温まで鳴くのか

暑い時、35℃ではほとんど鳴きません。
逆に気温が低い場合は、15℃くらいになるとほとんど鳴きません。

15℃から35℃の間は、よく鳴きます。
気温と鳴き声のテンポは比例しています。

秋の虫と気温

気温が上がると、鳴き声のテンポも速くなり、33℃だと無茶苦茶テンポが速くなります。

音がきれいに聞こえる気温は、22度~26度なのだそうです。



昼間に鳴くのか?夜に鳴くのか?

秋の虫気温

鳴く虫は、種類や季節によっては昼間に鳴くこともありますが、夜に鳴くほうが圧倒的に多くなっています。
最初は夜に鳴いていた虫たちは、秋が深まり夜の気温が20℃より低くなると、夜には鳴かず、昼間だけ鳴くようになります。
これは、気温が下がることで体温も下がり、夜には思うように鳴くことができなくなるためです。
ただし、明るい間は絶対に鳴かない
・マツムシ
・ウマオイ
・クツワムシ
などは、昼も夜も鳴かなくなります。

それぞれの鳴き声の動画です。
マツムシ

ウマオイ

クツワムシ

次は、秋の虫はどのような方法で鳴くのか?についてです。



秋の虫はどのような方法で鳴くのか?

鳴く虫には、はねが左右に2枚ずつ、合計4枚ついています。
・体を覆っているはねを「前ばね」
・前ばねの下に棒状にたたまれたはねを「後ろばね」
といいます。

コオロギ類を例にとって説明します。
前ばねの付け根から横に伸びている脈の裏側がヤスリ状になっています。
このヤスリ状の部分と、左前ばねの表にあるコブの部分をこすり合わせることにより振動が生まれます。

その振動が、はねの薄膜部に伝わり、薄膜が振動することで音が出ます。

秋に鳴く虫の種類の多くは、夏から秋にかけて(8月~10月)鳴きます。
秋の虫が鳴くのに気温は関係があり、気温が高いとテンポが速く、低いとテンポが遅くなります。
お読みいただきありがとうございました。

参考文献
松浦一郎「虫はなぜ鳴く ― 虫の音の科学」文一総合出版
村井貴史・伊藤ふくお「バッタ・コオロギ・キリギリス生体図鑑」北海道大学出版会

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